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AIは平気で嘘をつきます。とくに危ない4つの場面

AIは平気で嘘をつきます。とくに危ない4つの場面

AIは、知らないことを「知りません」と言いません。知っているような顔をして、それらしい嘘を書きます。これを知らずに使うと、お店の信用にかかわります。こわがる必要はありませんが、知っておいてください。

相談に来たお店の女性

お店の方

AIって、間違えることもあるんですか。

案内役のイルカ、オトスマ

オトスマ

間違えます。しかも自信たっぷりに間違えます。

相談に来たお店の女性

お店の方

それは困りますね。どこで見分けるんですか。

案内役のイルカ、オトスマ

オトスマ

見分け方があります。どこで嘘をつきやすいかが、決まっているんです。

目次

この記事で分かること

  • AIが嘘をつく仕組み(こわい話ではありません)
  • とくに危ない4つの場面
  • 安全な使い方と、危ない使い方の見分け方
  • お店で使うときの、確認の手順

ハルシネーションという言葉

AIが事実でないことを書いてしまうことを、ハルシネーションと呼びます。もとは「幻を見る」という意味の言葉です。

覚えなくて大丈夫です。この記事では「AIの作り話」と呼びます。

なぜ、作り話をするのか

AIは、物事を「知っている」わけではありません。

やっているのは、「次に来そうな言葉を選び続ける」ことです。たくさんの文章を読んで、言葉のつながり方を覚えた機械だと思ってください。

AIは辞書ではありません。とても上手な「文章の続きを書く機械」です。

だから、答えを知らないときでも止まりません。それらしい言葉を続けてしまいます。

AIは次に来そうな言葉を選び続ける。袋井市でいちばん古い和菓子店は、と聞かれると、○○堂・△△屋・□□庵のような、いちばんそれらしい名前を選んで、本当のことと同じ調子で書いてしまう

そして困ったことに、その文章はとても自然です。「たぶん違うと思いますが」とは書いてくれません。本当のことを書くときと、まったく同じ調子で書きます。

ここに注意AIに悪気はありません。嘘をついている自覚もありません。そういう仕組みの機械だと思って付き合ってください。

とくに危ないのは、この4つです

ここがいちばん大事なところです。AIはどこでも同じように間違えるわけではありません。間違えやすい場所が決まっています。

① 専門的なこと

その業界の人しか知らないこと。法律、規格、業界の慣習、専門の用語。

こういう情報は、世の中に出回っている文章が少ないのです。AIが読んだ量も少ない。少ないほど、作り話になります。

② その会社・お店だけのこと

あなたのお店の営業時間、創業年、商品の名前、担当者の名前。

これはAIが読んだことのない情報です。知らないのに聞かれるので、それらしく作ります。

自分の会社のことを聞いて、堂々と間違った答えが返ってきた——という経験をお持ちの方は多いはずです。

③ 数字

値段、日付、人数、統計。数字はいちばん作られやすいところです。

「2026年の調査では、約7割が」のような文が出てきたら、疑ってください。その調査は存在しないかもしれません。

④ 固有名詞の組み合わせ

「袋井市の◯◯というお店」のような、地名と店名の組み合わせ。

存在しない店名を作ったり、別の市のお店をこちらのものとして書いたりします。

情報が少ないことほどAIはまちがえやすい。専門的なこと・お店だけのこと・数字・名前の組み合わせは要注意、という図
世の中に情報が少ないことほど、AIはまちがえます。左下の4つは、かならず自分で確かめてください。

見分け方は、ひとつだけ覚えてください

こう考えると、迷わなくなります。

AIに「思い出させる」のは危ない。「渡したものを加工させる」のは安全。

AIの記憶から引っぱり出させる仕事は、作り話が混じります。

こちらが材料を渡して、それを直させる仕事は、ぐっと間違えにくくなります。渡したものをもとに書くからです。ただ、短くするときに数字や名前が変わることもあるので、できあがりは読み返してください。

安全な頼み方

  • この文章を短くして
  • この内容を、やさしい言葉に直して
  • この文章の誤字を直して
  • この文章を、3案に書き分けて
  • この箇条書きを、文章にして
  • 私が書いたこの案内文を、60代の方向けに

危ない頼み方

  • ◯◯について教えて
  • ◯◯の相場はいくら?
  • ◯◯の法律ではどうなっている?
  • 袋井市の◯◯というお店について
  • ◯◯の統計データを出して
  • この業界の最新の動向は?

左側は、こちらが材料を渡しています。右側は、AIの記憶に頼っています。

ここに注意前の記事でお伝えした「背景をたくさん書く」は、実は作り話を防ぐ対策でもあります。自分のお店のことを先に渡してしまえば、AIはそれを作る必要がなくなります。

お店で使うときの、確認の手順

まず、自分が知っていることを聞いてみる

新しいAIを使い始めたら、答えを知っている質問を1つしてみてください。

自分の業界のことでも、自分のお店のことでも構いません。どのくらい間違えるかが分かります。

ここで大きく外したら、そのAIにその分野のことを聞くのはやめる。それだけで事故が減ります。

数字・日付・固有名詞は、必ず自分で確かめる

ここは例外なしです。

  • 値段
  • 日付・期間
  • 人数・件数
  • 店名・人名・地名
  • 法律や制度の内容

AIが書いた数字を、そのまま載せないでください。お客様に出す前に、自分の目で1つずつ確認します。

「どこに書いてありましたか」と聞いてみる

出典(=その情報がどこに載っていたか)を聞くと、判断の材料になります。

ただし注意があります。出典そのものを作ることもあります。存在しない本の名前や、切れているページを出してくることがあります。

出してきたURLは、実際に開いて確かめてください。開けなければ、その情報も疑わしいということです。

そのまま載せない。必ず読んで、直す

出てきた文章は「下書き」です。完成品ではありません。

声に出して読んでみてください。自分が言わない言い回しがあれば、そこを直す。それだけで、お店の文章になります。

AIの文章をそのまま載せているお店は、読めば分かります。お客様にも分かります。

お店で使うときの確かめ方。1 答えを知っている質問をしてみる。2 数字・日付・名前を確かめる。3 どこに書いてありましたかと聞き、出てきたページを実際に開く。4 下書きとして読んで直す。大事なことは2回聞く

こんな場面が、いちばん危ないです

  • お客様への案内文に、AIが書いた日付や料金をそのまま載せる  間違っていたら、信用の問題になります
  • ホームページの「よくある質問」をAIに書かせる  自分の店の答えを、AIは知りません(作り方はお店の「よくある質問」の作り方)
  • 専門的な説明をAIに書かせて、お客様に渡す  業界の人が読むと、間違いに気づきます
  • お客様からの質問に、AIの答えをそのまま返す  いちばんやってはいけないことです

あわせて知っておきたいこと出どころを見ながら使えるAI → 完全無料で使えるAI「AIモード」
お客さまに出す前の決まり → お店のSNSで「書いても大丈夫なこと・問題になること」
反対意見も言ってくれる使い方 → AIに相談するなら、反対意見も言ってくれる相手を

それでも、AIは使ったほうがいいです

ここまで読んで、こわくなったかもしれません。でも、使わないほうが損です。

作り話がいちばん起きやすいのは、AIの記憶に頼ったときです。材料を渡して加工させる使い方なら、まちがいはぐっと減ります。

そして、その使い方こそが、お店でいちばん役に立ちます。文章を短くする。やさしく言いかえる。3案に書き分ける。毎日の手間が、はっきり減ります。

こわがってやめるのではなく、危ない場所を避けて使う。それだけです。

よくあるご質問

有料のAIなら、嘘をつきませんか?

減りますが、なくなりません。

有料版のほうがまちがいが減るといわれますが、公式に数字が出ているわけではありません。ただし、専門的なことと、その会社だけのことは、有料でも間違えます。知らないものは知らないからです。

お金で解決する問題ではありません。確認する習慣のほうが大事です。

インターネットで調べてくれるAIなら大丈夫ですか?

かなり良くなります。

検索しながら答えるAIは、出典(どこに書いてあったか)を示してくれます。そのリンクを開いて確かめられるのが大きな違いです。

ただし、探してきたページ自体が間違っていることもあります。最後は自分の目で見てください。

「間違えないで」と頼めば、正確になりますか?

なりません。

AIが自分の答えを確かめる仕組みは、まだ十分ではありません。じっくり考えるモードでも、まちがいは0になりません。「間違えないで」と頼むだけでは、防げないのです。

ただし「分からないことは、分からないと言ってください」と頼むのは、少し効果があります。試してみてください。

同じことを2回聞いて、答えが違うのはなぜですか?

AIは毎回、言葉を選び直しているからです。

じつはこれが見分け方として使えます。大事なことは2回聞いてみてください。答えが変わるなら、AIもよく分かっていない証拠です。

確かなことは、何度聞いても同じ答えが返ってきます。

AIが書いた文章を、そのまま自分の名前で出していいですか?

出すこと自体は問題ありません。ただし内容の責任は、出した人が負います。

「AIが書いたので」は、お客様には通じません。だから必ず読んで、確かめて、直してから出してください。

うちの業界のことを、正しく覚えさせられませんか?

その場で教えることはできます。

前の記事でお伝えした【背景】に、正しい情報を書いて渡す方法です。そのやりとりの中では、渡した情報を使ってくれます。

いまのChatGPTやClaudeには、前の会話で知ったことを覚えておく機能(メモリ)もあります(AIは、あなたのことを覚えてくれます)。ただ、何を覚えているかは分かりにくく、メモリを切っているときは忘れています。だから大事な背景はメモに保存して、貼り付けるのが確実です(やり方はスマホのメモに「わたしのこと」を書いておく)。

結果:できたか、確かめる

こうなっていれば、できています。

  • 自分がよく知っていることをAIに聞いて、まちがいを1つ見つけた
  • 答えの中の数字・日付・名前を、自分で確かめた
  • 「どこに書いてありましたか」と聞いて、出典を開いてみた
  • 大事なことを2回聞いて、答えが同じか見た

それでも迷ったら:まちがいが見つかったら、それは失敗ではありません。AIの「くせ」が分かった、ということです。

この記事のまとめ

  • AIは辞書ではなく「文章の続きを書く機械」。知らなくても止まらない
  • とくに危ないのは、専門的なこと・その会社だけのこと・数字・固有名詞
  • 世の中に出回っている情報が少ないことほど、作り話になる
  • 「思い出させる」は危ない。「渡したものを加工させる」は安全
  • 数字・日付・固有名詞は、例外なく自分で確かめる
  • 出してきた出典も、実際に開いて確かめる
  • 大事なことは2回聞く。答えが変わったら、AIも分かっていない

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無料版との違いと、お店での使い分け方。

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この記事を書いた人

オトスマ代表。静岡県袋井市で20年、この地域のお店やお寺、観光のお手伝いをしてきました。2019年からは、シニアの方へのスマホ講座も続けています。専門用語を使わず、できないことを責めない相談相手です。

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