最近、ひと目で「AIで作ったな」と分かるチラシを、よく見かけるようになりました。AIでチラシを作ること自体は、まったく問題ありません。問題なのは、簡単に作りすぎていること。だれに、何のために配るのかを考えないまま作ったチラシは、見た目がきれいでも、だれの心にも届きません。同じAIで、考えずに頼んだチラシと、考えて頼んだチラシを作って、くらべてみました。

お店の方
AIでチラシを作ってみたら、すごくきれいにできたんです。でも、配っても反応がなくて…。

オトスマ
AIのせいではなく、頼み方のせいかもしれません。同じAIでも、「だれに・何のため」を考えて頼むと、ここまで変わります。

AIチラシのよいところ・わるいところ
| よいところ | わるいところ |
|---|---|
| 早い。数分でできる | みんな似たものになる(どこかで見たチラシ) |
| 無料でも作れる | 細かい直しがききにくい。直すたびに別のものになる |
| 見た目は、それなりにきれい | 安っぽく見える。雰囲気だけで、中身(値段・場所・連絡先)がない |
| 言葉やデザインの案(たたき台)が出る | 頼んでいない言葉や、言いすぎの表示が勝手に入る |
よいところは本当に大きいので、使わないのはもったいないです。わるいところは、ほとんどが「考えずに、簡単に作った」ときに出てきます。
ひと目で分かる「AIチラシ」の特徴

- 青空・雪山・水しぶき・光のきらめき。商品と関係のない、雰囲気だけの写真
- 英語の飾り文字や、意味のない小さな言葉がたくさん
- 「やさしい毎日を」「自然の恵み」のような、どこかで聞いた言葉
- 値段・買える場所・連絡先・「次にしてほしいこと」がない
- 本物ではない、飾りのQRコード(読み取れない)
同じAIで作った、2枚のチラシ
架空の水「アイスウォーター」(ミネラルを含んだ、透き通るおいしさ)のチラシを、同じAI(ChatGPT)で2枚作りました。

本当に配るチラシには、自分のお店の商品の写真をこの見本は、説明のためにAIで作った架空の商品です。本当のチラシには、自分のお店の、本物の商品の写真を入れましょう。AIが作った「それらしい写真」は、実際の商品とちがう印象を与えてしまいます。
| A 考えずに頼んだ | B 考えて頼んだ | |
|---|---|---|
| 頼み方 | 1行だけ(商品名・説明・値段・写真を入れて) | 目的・だれに・気持ち・入れる文字・レイアウトを書いた |
| だれに | 分からない | 30代の女性(子育てや仕事でいそがしく、重い水を運ぶのが大変な人) |
| 見出し | 商品名だけ | 「ひと口目で、ちがいが分かる。」 |
| 伝わる情報 | 値段だけ | 良いところ3つ・1本と6本セットの値段・玄関まで届く |
| 次にしてほしいこと | なし | 「まずは1本、おためしください」+注文のボタン |
| 見た目 | 雪山・水しぶき・言葉がたくさん。にぎやか | 白が多く、すっきり。飲料メーカーの広告のような品のよさ |
| AIが勝手に足した言葉 | たくさん(「今日も、キレイなわたしに。」「カラダにうるおい」「健やかな未来」「NATURAL MINERAL WATER」と山の絵など) | なし(「これ以外は足さない」と書いたため) |
頼み方のちがい
Aは、こう頼みました。
水を売るチラシを作ってください。商品名は「アイスウォーター」。ミネラルを含んだ透き通るおいしさ。1本150円(税込)。商品の写真を入れて。A4縦。
Bは、下の「5つの質問」の答えと、入れる文字をすべて書きました。さらに、飲料メーカーの広告のレイアウトを見て、その作り方を言葉にして伝えました(白い地を広く、色は2色、明朝体の大きな見出し、商品のボトルを大きく、丸く切り抜いた写真、角丸のボタン)。
Bの頼み方(全文を見る)
【目的】見た人に、まず1本ためしてもらい、くわしくはQRコードからホームページを見てもらう。
【だれに】30代の女性。子育てや仕事でいそがしく、毎日スーパーで水を買い、重い水を運ぶのが大変だと感じている人。
【気持ち】「毎日の水、これに変えてみようかな」と思ってもらう。
【文字は一字一句このまま。これ以外の言葉・英語・表示は足さない】毎日の水、えらび直しませんか。/ひと口目で、ちがいが分かる。/アイスウォーター/ミネラルを含んだ、透き通るおいしさ/くせがなく、家族みんなで飲みやすい/冷蔵庫に入れやすい、スリムな1L/重い水は、玄関まで届けます(6本から)/1本 150円(税込)/6本セット 840円(税込)/まずは1本、おためしください/ご注文・取扱店はこちら
【レイアウト:飲料メーカーの広告の作り方にならう。ほかの会社のロゴ・名前・デザインはまねしない】白い地を広く。色は淡い水色と濃い紺の2色。大きな見出しは明朝体で2行。右に商品のボトルを大きく。左下に丸く切り抜いた写真(台所で、グラスに水をそそぐ手元)。区切りは、しずくとゆるやかな波の線。ポイント3つは線のアイコンで横に3列。値段の数字をいちばん目立たせる。いちばん下に角丸のボタン。山の絵や水しぶきは入れない(山の水ではないため)。
いちばん大事なのは「何のため・だれに・どうして」
チラシは、ふつうの人が見たいものではありません。でも、それを必要としている人に届けるためのものです。それなのに、だれに見せるかを考えないまま、だれにも見せる気持ちのないチラシが量産されています。



チラシを作るのは、自分をかっこよく見せたいから? 笑ってもらいたいから? そうではありません。興味を引いて、気持ちをゆさぶって、中身を読んでもらい、「買おうかな」「行ってみようかな」「くわしくホームページを見てみようかな」と思ってもらう。それがチラシの主な役目です。



お店の方
だれに届けたいか、ちゃんと考えたことがなかったかも!

オトスマ
それに気づけたら、もう半分できたようなものです。5つの答えを書いてからAIに渡すだけで、チラシはぐっと変わりますよ。
改善策:AIでチラシを作るときの5つの手順
1. 作る前に、5つの質問に答える
何のため・だれに・どんな気持ちに・何を伝える・次に何をしてほしい。紙に書いてから、AIに渡します。相手が見たくないチラシを作らないための、いちばん大事な手順です。
2. 入れる文字は、自分で決める
見出し・良いところ・値段・日付・連絡先は、自分で書きます。AIには「一字一句このまま。これ以外の言葉は足さない」と頼みます。
3. 自分のお店の写真やロゴを見せる
商品・お店・人の写真は、本物を使います。AIが作った「それらしい写真」で済ませると、どこにでもある、安っぽいチラシになります。
4. お手本のレイアウトは「作り方」を言葉で伝える
いいなと思う広告があれば、余白・色の数・文字の大きさ・並べ方を言葉にして伝えます。ほかの会社のロゴや名前、デザインそのものは、まねしません。
5. できたら、人の目で確かめる
勝手に足された言葉はないか。値段・日付・連絡先は正しいか。QRコードは本物に差しかえたか。最後に、だれかに3秒だけ見せて「何のチラシ?」と聞いてみます。
作るときのヒント:AIに、たくさん知ってもらう
AIは、知っていることが多いほど、いっしょに考えてくれるようになります。「チラシを作って」と頼む前に、自分のお店のことをたくさん渡してみましょう。すると、「こういうことを入れたほうがいい」「これは入れたほうが伝わる」と、中身まで一緒に考えてくれます。AIが学習するというより、そのものを知ることで、より理解してくれるイメージです。


お店の方
でも、何を渡せばいいのか分からなくて…。

オトスマ
ホームページの文章や、前に作ったチラシで大丈夫です。「知ってもらう」つもりで、どんどん見せてあげてください。
| 渡すもの | 例 | AIが考えてくれること |
|---|---|---|
| 自分のお店の情報 | ホームページの文章、商品の説明、料金表、お店の考え | お店らしい言葉、入れるべき情報 |
| これまでに作ったもの | 前のチラシ、パンフレット、メニュー、ポスター | 色や雰囲気をそろえる、前とのちがいを出す |
| 楽しい情報 | 季節のできごと、お客さまの声、作り手のこだわり | 読みたくなる話題、気持ちをゆさぶる言葉 |
| 自分の言葉と考え | 自分は何をしてきたか、どんな人に伝えたいか、入れたい言葉、大切にしていること | 「あなたのお店のチラシ」になる |
| ほかの人のアドバイス | デザイナーさんや、まわりの人からの「こうしたほうがいい」 | プロの目線をふまえた作り方 |

とくに大事なのは、自分の言葉と考えです。AIは、お店の想いまでは知りません。「この人に届けたい」「この言葉は入れたい」を伝えるほど、ほかとはちがうチラシになります。
ただし、資料をたくさん読み込ませたり、何度も頼み直したりすると、無料版はすぐに上限に達します。いろいろ渡して作り込みたいときは、有料版を試すと、ちがいがよく分かります(くわしくは下の「無料版と有料版」)。
AIの使い方そのものがまだよく分からない方は、「AIの基本の使い方」から読んでみてください。
表示のルールにも気をつける
AIは、表示のルールを知らないまま、それらしい言葉を足してきます。見本のAにも、気をつけたい言葉が入っていました。
| AIが足しがちな言葉・絵 | 気をつけること |
|---|---|
| 「カラダにうるおい」「健やかな未来」など、体によさそうな言葉 | ふつうの食品で、体への効果をうたうことはできません。言葉だけでなく、写真やイラストも含めた表示全体で判断されます |
| 「NATURAL MINERAL WATER」「天然」 | 国のガイドラインで、ナチュラルミネラルウォーターは「特定の水源から採った地下水」などの条件がある区分です。条件に合わない水には使えません |
| 雪山や湧き水の絵 | 山の水ではないのに山の水だと思わせると、実際よりよく見せる表示(景品表示法の「優良誤認」)になるおそれがあります |
出典:静岡県「食品の健康保持増進効果に関する誇大広告は禁止されています」、広島市(農林水産省「ミネラルウォーター類の品質表示ガイドライン」の区分)
お店のSNSやチラシで書いてよいこと・問題になることは、「SNSで書いていいこと、問題になること」にまとめています。
無料版と有料版、なにがちがう?
チラシを作れる基本の力は、無料版も有料版もほぼ同じです。大きくちがうのは、自分のお店の資料(商品の写真・ロゴ・前のチラシ・商品の説明)を読み込ませて、それをもとに作れることと、それを何度もくり返せることです。
| 無料 | Go | Plus | |
|---|---|---|---|
| 料金(公式ページの表示) | 0円 | 月1,400円 | 月3,000円 |
| ファイルを読み込ませる | 1日3ファイルまで | 3時間に80ファイルまで | 3時間に80ファイルまで |
| プロジェクトに置いておける資料 | 5ファイル | 25ファイル | 25ファイル |
| 画像を作れる数 | 少ない(数は公表されていない。上限に達すると待つ) | 無料より多い | 無料より多く、より高品質 |
| 広告 | 出る場合がある | 出る場合がある | なし |
ChatGPT(OpenAI)の公式ページより。料金や回数は変わることがあります。ファイルのアップロード、プロジェクト、無料版のよくある質問。
無料版だと、写真や資料を少し読み込ませただけで、すぐに上限になります。そのため、ほかと同じようなチラシになる・直しを重ねられない・デザインの幅が広がらない・安っぽく見える、ということが起きやすくなります。チラシを何度も作るお店なら、有料版を試す価値はあります(AIの有料版を1か月試してみる)。
時期によっては、有料版を無料や割引で試せるキャンペーンが、ChatGPTの画面やメールで案内されることがあります。始めるときは支払い方法の登録が必要なことが多く、期間が終わると自動で有料に切りかわります。続けないときは、終わる前に解約しておきましょう(OpenAI「ChatGPT Plus のプロモーションと紹介」)。

お店の方
いろいろ読み込ませていたら、「上限に達しました」って出て、止まってしまいました…。

オトスマ
そこが無料版のいちばんの壁なんです。作り込むときだけ有料版を試すのも、ひとつの方法ですよ。
ワンポイント|「AIに学習させる」って、どういうこと?(押すと開きます)
「AIに自分のお店を学習させる」とよく言いますが、チラシ作りでしていることは、正確には「資料を読み込ませて、それを見ながら作ってもらう」ことです。AIのしくみそのものが、あなたのお店のことで賢くなるわけではありません(覚える機能をオンにすると、会話の内容は覚えます)。学習するというより、そのものを知ることで、より理解してくれる、と考えると分かりやすいです。
ChatGPTのプロジェクトに、商品の写真・ロゴ・前のチラシ・お店の説明を入れておくと、そのプロジェクトの中では、毎回それを参考にして作ってくれます。有料版のほうが、置いておける資料の数と、読み込ませる回数が多いので、「自分のお店らしさ」を何度も伝え直しながら作れます。
一方、ChatGPTには、会話の内容をAIの改善(学習)に使ってよいかを選ぶ設定もあります。設定の「すべての人のためにモデルを改善する」がオンだと、個人のChatGPT(無料・Go・Plus・Pro)では、プロジェクトに入れた情報が使われることがあります。お店の大事な資料を入れるときは、この設定も確かめておきましょう。
オトスマの考え

AIは、どんどん使っていい。でも、受け取る人の顔を思い浮かべてからAIを使えば、チラシはだれでも、すぐに作れます。だからこそ、差がつくのは「だれに、何のために」を考えたかどうかです。きれいなだけのチラシを何枚も配るより、必要としている人に届く1枚を。オトスマは、その1枚を一緒に考えます。
よくあるご質問
無料版でも、いいチラシは作れますか?
作れます。5つの質問に答えて、入れる文字を自分で決めて頼めば、無料版でも大きく変わります。ただ、写真や資料をたくさん読み込ませたり、何度も直したりするには、無料版はすぐ上限になります。
AIで作ったことは、チラシに書くべきですか?
書かなければいけない決まりはありません。大切なのは、実際とちがう印象を与えないことです。商品の写真は本物にして、AIが足した言葉や表示は必ず確かめましょう。
お店の写真がありません。
スマホで撮った写真でも、AIの「それらしい写真」より、ずっと伝わります。撮り方に迷ったら、ご相談ください。
この記事のまとめ
- AIでチラシを作るのは問題ない。問題は、考えずに簡単に作りすぎていること
- 考えずに頼むと、雰囲気だけの、どこかで見たチラシになり、頼んでいない言葉まで入る
- チラシの役目は、必要としている人の気持ちを動かすこと。自分をかっこよく見せることではない
- 作る前に5つの質問に答え、入れる文字は自分で決め、写真は本物を使う
- お店の情報・前のチラシ・自分の言葉をたくさん渡すほど、AIは中身まで一緒に考えてくれる
- 体への効果や「天然」などの表示は、ルールを確かめる。最後は人の目で
次の一歩
- 今日やること…いま配っているチラシを1枚出して、5つの質問に答えられるか確かめる
- あわせて読む…AIへの頼み方、4つのコツ/店内のPOPを無料で作る
- AIの使い方がまだよく分からない方へ…AIの基本の使い方
一人でやらなくても大丈夫です
「このチラシ、だれに向けたものになっている?」「AIにどう頼めばいい?」。いまのチラシの写真をLINEで送っていただければ、一緒に見直します。
料金を見る(税込)初回のご相談は無料
| 内容 | オトスマがやること | 料金(税込) |
|---|---|---|
| 初回のご相談 | お話をうかがって、合う進め方をお伝えします | 無料 |
| 相談・レクチャー(教える) | やり方を説明します。作るのはお店の方 | 5,000円/1時間 |
| 月々サポート(一緒にやる) | 月2時間、投稿などを一緒に作り、チャットで改善案も | 33,000円/月 |
| 制作サポート(代わりにやる) | 撮影と投稿を月8回以上、オトスマが作ります | 100,000円/月 |
| 設置から運営まで(まるごと) | アカウントの設置から毎月の運営まで | 150,000円/月 |
| 動画編集(素材あり) | お店の写真・動画と文章をお預かりして作ります | 5,000円〜 |
| ロゴアニメーション | 10秒以内・直しは3回まで | 10,000円 |
| アニメーション動画 | 絵や文字を動かして伝える動画 | 10,000円〜 |
| チラシから作る動画(素材あり) | チラシや画像を動かして、見た人の心を動かす動画に | 30秒 7,000円/1分 10,000円 |
| 撮影 | 素材がないときは撮影から(動画とは別に) | 10,000円〜/1時間 |
| 講座(お店・事業者向け、単発2時間) | お店の仲間とまとめて習う | お一人 3,000円 |
| 交通費 | オンライン・袋井市内はかかりません | 菊川市〜浜松市のあいだは 2,000円 |
毎月のプランは、3か月からのご契約です。くわしい料金は料金のページに、講座の内容は講座・セミナーのページにまとめています。
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